Apple は現地時間の30日、Apple Event を開催し、新型 MacBook Pro と新型 iMac を発表しました。サプライズで発表されると噂された、新型 iPad シリーズの発表はありませんでした。
Apple M3 シリーズ
今回の発表で大きな目玉となったのは、Apple M2 に続く、Apple Silicon の新作。 Apple M3 シリーズです。今回は、Apple M3 / Apple M3 Pro / Apple M3 Max の3つが登場しました。
Apple M2 シリーズとは違い、パーソナルコンピュータではじめての 3nm プロセスで開発された新しいCPUです。
GPU には、Dynamic Caching を導入し、『ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング』『メッシュシェーディング』と言った、新しいレンダリング機能を使用することができます。
Apple M1 シリーズとの差
Apple Silicon としてはじめて世に送り出した Apple M1 シリーズと今回の Apple M3 シリーズとどのような差が出ているのでしょうか?
Apple の公式プレスリリースによると、レンダリング速度は Apple M1 シリーズよりも最大 2.5倍の高速化を実現。CPUの高性能コアと高効率コアとの差は Apple M1 シリーズよりも 30%~50% の高速化。Neural Engine との差は Apple M1 シリーズよりも 60% の高速化を実現したと Apple は主張しています。
Apple M2 シリーズとの差
Apple は現行の Apple M2 シリーズとの差を説明しています。とくに興味深いのは、Apple Mシリーズにある、高性能コアと高効率コアの搭載量です。
高性能コアの比較で Apple M3 シリーズは Apple M2 シリーズよりも 30% 速く、高効率コアは Apple M2 シリーズよりも 15% 速いものが搭載されています。
これは、Apple M2 シリーズが 5nmプロセスを元に開発されている関係から、今回の Apple M3 は 3nmプロセスを元に開発しているので、プロセスルールの微細化でCPUの高速化と高性能化を実現したと Apple が広く言いたかったことだと考えられます。
新しくなった24インチの iMac と14インチ / 16インチの MacBook Pro
3nm プロセスで開発された Apple M3 シリーズをはじめて搭載することとなった Mac は、新しくなった 24インチの iMac と 14インチ / 16インチの MacBook Pro です。
Apple M3 には 14インチの MacBook Pro と iMac にそれぞれ搭載。Apple M3 Pro と Apple M3 Max には 16インチの MacBook Pro に搭載されます。
iMac の搭載メモリは、8GB / 16GB / 24GB の3種類を選ぶことができます。
iMac の搭載ストレージは、256GB / 512GB / 1TB / 2TB の4種類を選ぶことになります。
iMac で選べるCPUは、Apple M3 のみです。
新しくなった iMac のカラバリは、ブルー / グリーン / ピンク / シルバー / イエロー / オレンジ / パープル の合計7色の中から選べます。白や黒系だと、シルバーがおすすめ。
14インチ / 16インチの MacBook Pro の搭載メモリは、18GB / 36GB / 48GB / 64GB / 96GB / 128GB の6種類を選ぶことができます。
14インチ / 16インチの MacBook Pro の搭載ストレージは、512GB / 1TB / 2TB / 4TB / 8TB の5種類を選ぶことになります。
14インチ / 16インチの MacBook Pro で選べるCPUは、Apple M3 / Apple M3 Pro / Apple M3 Max の3種類ですが、16インチの MacBook Pro を選ぶと、Apple M3 Pro / Apple M3 Max のどちらかを選ぶ必要があります。
新しくなった 14インチ / 16インチの MacBook Pro のカラバリは、スペースグレイとシルバーの2色のみ。
新しくなった24インチの iMac と14インチ / 16インチの MacBook Pro の本体価格
皆さんが一番気になるのは、新しくなったとは言え、本体価格がどうなったかです。
発表された iMac と 14インチ / 16インチの MacBook Pro をフルスペックモデルで組んだ場合で見積もると、下記の本体価格となります。 ※全て Apple Store の公式HP から計算
・iMac フルスペック(M3/24GBのメモリ/2TBのストレージ):税込み 402,800円
・14インチ MacBook Pro フルスペック(M3/24GBのメモリ/2TBのストレージ):税込み 388,800円
・14インチ MacBook Pro フルスペック(M3 Pro/36GBのメモリ/4TBのストレージ):税込み 594,800円
・14インチ MacBook Pro フルスペック(M3 Max/128GBのメモリ/8TBのストレージ):税込み 1,056,800円
・16インチ MacBook Pro フルスペック(M3 Pro/36GBのメモリ/4TBのストレージ):税込み 622,800円
・16インチ MacBook Pro フルスペック(M3 Max/128GBのメモリ/8TBのストレージ):税込み 1,092,800円
それぞれのフルスペックで組んでいくと、最低でも税込み39万円から最高110万円を用意すれば、それぞれのフルスペック構成で組んだ、新しくなった iMac と MacBook Pro(14インチ/16インチ)を購入できると考えてもらえば大丈夫です。
予約開始日と発売日について
今回の新しくなった iMac と14インチ / 16インチ MacBook Pro ですが、日本時間の2023年10月31日から、新しくなった iMac と14インチ / 16インチ MacBook Pro の予約購入が始まっています。
発売日は、共に2023年11月7日。できるだけ素早く予約購入されたユーザーは、2023年11月7日中に届くか、それ以降に届くと考えても良いです。
もし、Apple M1 シリーズ搭載の Mac をお持ちのユーザーで買い替えを検討しているのであれば、Apple M3 シリーズ搭載の Mac を購入して、手元に届いたらすぐにデータ移行を済ませ、不要になった Apple M1 シリーズをできるだけ高価買取できる専門店に持って行って、その場で売却を済ませるとかなりコストパフォーマンス重視での Mac 運用ができます。
今回の Apple M3 シリーズのことで一言【さいごに】
今回の Apple M3 シリーズは、パーソナルコンピュータではじめての 3nmプロセスで開発されたCPUである点は、すごく興味深いです。これにより、恐ろしく高速で恐ろしくパワーアップした iMac と MacBook Pro(14インチ/16インチ)の誕生で、来年初旬に発売される Apple Vision Pro を使用する上での、Apple M3 シリーズ搭載の Mac で非常に大きな役割を発揮してくれると大きく期待しています。
2024年の Apple は新たな分野をチャレンジする1年ではないでしょか?
Apple Vision Pro の米国発売からはじまり、Apple M3 シリーズ搭載の iPad Pro / iPad Air の登場。噂されている iPad mini のマイナーアップデートと私たちをワクワクと興奮の世界に案内してくれる Apple を2024年になっても、追い続けようと存じます。
iPhone についてですが、2024年登場予定の iPhone SE 4rd で Apple のレガシー端子である、Lightningコネクタをはやく全廃にならないか、願うばかりです。