アメリカ・New York Times は現地時間の5日、Times Opinion でスマートフォンのモバイル広告は匿名でも位置情報データで特定可能であると報じた。
New York Timesによると、2021年1月6日に発生したアメリカ議会議事堂襲撃に憤慨したため、何者かがNew York Times誌にデータを持ち込まれたもの。そのデータには数千台のスマートフォンへの約10万件の位置pingが含まれており、議事堂襲撃の時間に議事堂内にあった約130台のスマートフォンを特定することができたと説明しています。
しかし、データの位置情報自体は匿名化されているものの、同じIDを含む別のデータベースと照合した結果、わずか数秒でスマートフォンの所有者に関する実名、住所、電話番号、メールアドレスなどを特定できてしまったそうです。
これらのIDは、モバイル広告ID(=Mobile Advertising ID、MAID)と言われるもので、IT企業 , 広告代理店業を営む企業がネット上を横断して、匿名化されたターゲットを追跡するためのものだとNew York Timesは語っています。
ちなみに、Android OSのMAIDは、GAID = Google Advertising ID というもので、iOS端末のものは、IDFA = Identifier for Advertisers と言われ、これらのデバイスIDで私たちが仮に、個人情報に関するデータを大企業にデータを渡さないと宣言しても、デバイスやOSを開発する大企業は、デバイスIDによって、広告を出稿した広告代理店が大量の動画広告やターゲティング広告等を安心して配信することができ、私たちはデータを匿名化する方法をいくらなんでも対策を講じても、大企業にそれらのプライバシーに関する個人情報が知らずに渡ってしまいます。
New York Times誌は『このデータの使用を規制する法律が全くない』と指摘。また企業に対し、データの使い方や保存期間の開示を義務付ける法律もない。と語り『議事堂に集結したトランプ氏支持者を特定するために位置データベースを使うべきだと考える米国民もいるかもしれないが、商用データベースの利用は自由への懸念につながる』と New York Times は主張しています。
>>> 記事:New York Times / Times Opinion